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2006年10月5〜7日にかけてジャパンガーデニングフェアが横浜にて開催されました。弊社は伝統園芸の継承が花と緑の日本をよみがあえらせ園芸界に新たな展開をもたらすと考え、テーマに掲げました。
今、なぜ、伝統園芸ルネサンスか
 美しい庭を持つ大名屋敷や花の名所、庶民が生活する町屋のあちこちには花鉢が置かれ、独自の花文化を持つガーデンシテイであった江戸。四季の変化を大切にし、自然と共生する江戸の人々は、花への興味だけでなく、花を愛でるシーンづくり、器、しつらえといったインテリアをはじめ道具、服装、読み物と興味に広がりを見せ、そのライフスタイルが個性的で美しい 江戸の町の景観を創り上げていたのです。

 明治以降、特に戦後、経済性を重視してきた日本は効率で町を変化させ、多くの美しい町並をなくしました。その一方、豊かなった市民は海外の町を訪れ、暮らしの中で花緑に触れる幸せに憧れ、ガーデニングブームが起こりました。花緑と触れ合うだけでは満足しなくなった市民は江戸時代の人々と同様、花緑と共に生きる暮らしを楽しく、豊かにデザインしたいと感じてきています。

  町の景観は地域の自然とそこで生活する人々の生き様で創り上げられます。ガーデンから花と緑の町づくりへ、生き生きと花と緑に触れ合うガーデンライフは美しい日本のふるさとの再生を導きます。日本人として先人が築いた園芸文化を知り、そこに流れる日本人の心に触れるとともに、楽しい花と緑のある暮らしぶりを体感しながら、江戸時代、海外の人々があこがれた美しい日本のふるさとの再生の一歩をガーデンからスタートさせるため企画しました。
こちらのページではジャパンガーデニングフェアで展示した内容をご紹介します。

1) 伝統園芸を知る

将軍から始まった園芸ブームは各地の大名にも広がり、さらには身分を越え庶民にまで広がり、地域固有の園芸文化まで生みだしました。海外では花の色、大きさが注目されますが、武士たちは斑入りの観葉物に関心があったようで、江戸の園芸の特色は「植物」「観賞方法」「器、しつらえ」で語れます。オモト鉢、ラン鉢と植物により飾る際の鉢の形も観賞方法も異なりました。松等の盆栽は床飾り、オモトなどの斑入り植物は棚飾り等で座敷で楽しみました。ヨーロッパの人々の憧れのユリは江戸の人々にとっては秋の七草と同様、野で楽しむ植物に属していました。庶民が親しんだのはアサガオやキク、サクラソウなど栽培や仕立てを楽しむ花でした。

オモト、シュンラン、マツバラン等斑入り植物が好まれた。 ラン鉢、オモト鉢と植物により鉢の形は変えられた。
各地で園芸文化が花開くことにより、各地の焼物の産地の鉢が生まれた。

協力 吉野正義  榑林繁夫


2)江戸のガーデニングライフを楽しむ

江戸の人々は身分に関係なく園芸が大好きでした。ここは豪商の家、下級武士の家、庶民が楽しむ花市広場の3つの空間で構成し、江戸の町の様子や花と緑のある粋な暮らしぶりを再現します。現代の暮らしの中でも使えそうなアイディアがいっぱいです。


江戸時代の庭に入っていくと・・・・


お月見を楽しむ商家の娘の庭
 月見のお弁当箱や小品盆栽が可愛く飾られています。庭にはシュウメイギク、ダンギク、キキョウ、キク等秋の花が咲いています。

豪商の庭
武士より豊かな豪商も盆栽好きです。今夜は自慢の盆栽を月見客にお披露目です。

 

 

 

 

下級武士の庭
江戸も末期になると武士は仕事もなくなり、園芸でアルバイトをしていました。


  


江戸の町並みを飾る小物たち
篩いにお花を飾ります。(左)
雪止め瓦をアクセントに使います。ハゲイトウは江戸時代にはすでに日本に入ってきていました。 (右)

3)伝統園芸ルネサンス

「伝統園芸ルネサンス」、ここではアーティスト、アルチザンとのコラボレーションで空間作りを提案します。「月の庭」はモダンな土壁と白砂の庭で構成されます。また、和風空間に合う土壁を使った古典模様の緑化壁とファイバーアート、盆栽をモダンに飾るインテリア等、伝統工芸とガーデニングのコラボレーションでジャパンブランドを提案します。

観月の庭 ランドスケープ:辻本智子
        左官:久住有生

 
和風壁面緑化  壁面緑化デザイン制作:辻本智子
           ファイバーアート:石崎朝子
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