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2007年3月3〜5日の3日間、サンポート高松にてジャパンフラワーフェスティバルinかがわが開催されました。総合プロデュースを行いました。

 

花ルネサンスで美しい日本の再生・創造を、 そして世界に誇れるジャパンブランドとしての花緑産業の創造を!!
  花緑は私たちの暮しやまちづくりに大きな効果を与えます。私はそれを「花と緑の7恵―感動、交流、健康(癒し)、環境、教育、経済、研究開発」と提唱しています。江戸時代、日本を訪れたヨーロッパ人が、庶民のつつましい住まいの中でも花が飾られ、育てられているのを見て、日本の花文化の豊かさに驚いたと書物に残しています。
 明治以降、とりわけ戦後、日本は効率と合理性を求め「古い物を守る=もったいない」の文化から、20年たてば、建て直すのが当たり前という「使い捨て」の文化に変わってしまいました。西洋化は生活空間を変えるだけでなく、ライフスタイルまで変え、ついに日本の伝統文化や伝統的景観を消滅させる所まで来ました。
 20世紀末期、経済大国となった豊かさの象徴として大阪花博が行われました。大阪花博から始まった花のブームは、行政主導で多くの花の施設や花の公園を生み、95年以降はイングリシュガーデンブームを市民の中に生み、西洋に学んだオープンガーデン活動が全国で花開き、今やお互いのガーデンを訪れるガーデンツーリズムを引き起こしています。 
 このようなニーズがあるにもかかわらず、花き消費額は2000年以降下落傾向にあります。切花は輸入物に押されると共に住まいの変化により稽古花、供花利用の減少が見られ、ガーデニングブームは「切花から花苗ヘ」消費傾向を変化させましたが、多品少量の消費者ニーズに振り回され、最近は生産者に疲れが見られます。

 今、園芸界は大きな岐路に来ています。毎日の暮らしの中で花緑と触れ合う市民は、ただ花があるだけでは満足しなくなっています。花緑と共に生きる暮らしを楽しく、豊かにデザインしたいと考えているのです。花との暮らしの楽しさを実感した市民のニーズを把握するだけでは後追いにしかなりません。市民に提案できる産業とならねばなりません。地球環境の悪化が世界的課題となってきている現在、花緑の環境緩和・浄化材料としての視点、種の保存という視点も求められようになり、花緑の分野は広く、非常に重要になってきています。

 花緑産業に「花を売ることから花と緑のある幸せな暮らしを売る」ことが求められ、今、ジャパンフラワーフェスティバルは生まれ変わらねばなりません。「幸せな暮らしとは

」、個人の心の問題・住まいの生活空から地球レベルまで大きな視野に立ち7恵を実現することではないでしょうか。。
江戸時代までの日本人の暮らしは動物も植物も絶滅種が無いほど、自然と人間の共生がうまくなされていたのです。そのライフスタイルから生まれた伝統文化や伝統産業は、今も尚、ヨーロッパでは憧れジャパンデザインなのです。

 私はジャパンフラワーフェスィバルに花ルネサンスを提案します。花ルネサンスとは、「先人が創り上げた花文化や伝統的ライフスタイルに学び、自然と共生を個人の「花・緑のある暮らし」から実現していくことです。住民1人1人が地域環境に責任を持ち、花と緑のある暮らしの中で伝統文化、伝統産業を継承し、自らの力で共生の社会を創り育て上げる参加型まちづくり運動です。それは自然豊かな美しい日本のふるさとの再生と創造を導くとともに、伝統を継承しながらも21世紀に生きる「花と緑のライフスタイル」を築き上げ、そのライフスタイルがジャパンデザインとして世界に売れる花緑産業を生み出すのです。
 今回の開催地、香川県は盆栽をはじめ伝統園芸が盛んであるだけでなく、多くの伝統工芸や産業を持つ地域です。また、会場となるサンポート香川は瀬戸内海に面し、ガレリアやガラス建築を持つ近代的な空間です。古いものと新しい物が「共生」と言うキーワードで調和する空間創り、これこそ、今私たちに求められていることです。このユニークな会場で展開する今回のフラワーフェスティバルは単なる展示会ではなく、大きな都市実験となるでしょう。

 会場の地域性、伝統性を生かしながら香川県から四国から、日本から世界へ21世紀に生きる花と緑空間作り、ライフスタイルを提案するのです。世界の人があこがれるジャパンデザイン、世界の人が訪れたくなる日本、世界に誇れる日本。このJFF香川が世界の人々があこがれた「ジパングの再生」の魁となるためには、心から地球環境まで大きな視野にたった花緑産業、全国の市民、デザイナー伝統産業・工芸のアルチダン、アーティストの参加とコラボレーションが必須です。
 これは展示だけで成り立つのではなく、参加団体すべてが一つのコンセプトの下、コラボレーションすることでムーブメントが引き起こされるのです。

   

サンポート高松1階から4階まで続くフラワーウェーブ。
様々な色のカランコエが階段をなみなみ彩ります。

 

 

 

 

 

 主催者展示 「香川の庭」

静かな海となだらかな山。
穏やかな自然景観を持つ香川県は、盆栽、東洋蘭などの伝統園芸や漆器などの伝統工芸が盛んで、近代化や都市化が進む中にも伝統が継承されています。

この展示では、サンポート高松の近代的な建築空間の中、マーガレットや盆栽、東洋蘭などの香川県特産の花と緑を、漆器や庵治石など香川独自の伝統工芸品、特産品でコーディネートし、新しい緑化技術も使って伝統的な和の町並みの花修景を提案しました。海や山など香川県の風景イメージを盛り込むほか、3月3日のひな祭りにちなみ、桃の節句を演出しています。

 

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